ウィンドサーフィン RS:X 世界選手権 in江ノ島 2017 サポート記録 〜大会の進みかた〜
2017年9月17日〜23日の6日間
神奈川県江ノ島にて開催された
ウィンドサーフィン RS:X級 世界選手権にて、日本代表ナショナルチームの小嶺恵美選手(以下みねこ)のサポートに行ってきたのでその記録。
今回は私もようやく理解した大会の進みかたについて。
《会場の江ノ島について》
江ノ島ヨットハーバーは、1964年と2020年の東京五輪でのセーリング会場。
ハーバーには1964年大会の痕跡も残る。
相模湾は世界的に見ると強い風が安定して吹く場所では無いが、間違いなく日本の中ではセーリングスポーツのメッカのひとつ。
《セーリングスポーツとは》
セーリングスポーツとは、ヨットとウィンドサーフィンを含めて言う。
オリンピック競技ではウィンドサーフィンはRS:X級男女のみだが、ヨットが複数種目あり、合計10種目。
ーオリンピック種目ー
http://jsaf-osc.jp/cn02/pg02-1.html
各種目についてはこれが分かりやすいかも
https://www.2020games.metro.tokyo.jp/taikaijyunbi/taikai/syumoku/games-olympics/sailing/index.html
《大会の進みかた ー予選ー 》
超!要約すると、2日間で予選、2日間で決勝シリーズ、最終日はトップ10人によりメダルをかけた最終1レース。です。
ー
16日から始まるはずだった本大会は台風の影響で延期に。
翌日17日に開会式のみ、18日からレースが行われた。
大会は大きく予選と決勝シリーズに分けられる。
メンズ約100名、レディース66名を半分ずつ4つのフリート(=ブロック)に分け予選を行う。
最初のフリート分けは、それまでの国際大会の成績によってとか?国別に偏らないようにとか基準があるみたい。←勉強不足です
男女同じ仕組みなのでここではレディースの説明をすると、
まず運営側から振り分けられたYellow/Blueフリートで、今回だと初日2レース行った。各フリートで1〜33位を決める。
1位=1ポイントで計算し、合計ポイントの低い人からYellow/Blueフリート合わせて66人で順位を付ける。
(2レースの結果が3位、18位だと21ポイント)
66人の結果から再度Yellow/blueに平等になるように振り分け、予選2日目を行う。
昨日Yellowで今日blueになった人もいれば、昨日blueで今日もblueの人もいるという感じ。この予選期間のyellowとblueフリートに優劣は無い。
予選2日目は今回3レース行ったので、2日間5レースの合計ポイントの低い順に、改めて1〜66位の順位を決める。
ただし。
4レース以上行った場合は、最もポイントが大きかったレースをカット出来る(ポイント加算しない)
例えば、Aさんの5レースの結果が
3位、18位、29位、6位、12位だとすると
最も悪い29位をカットし、残りの合計39がAさんのポイントとなる。
全員がそれぞれ1レースカットした上で、合計ポイントの低い順に1〜66の順位がつく。
これが予選の最終順位。
一番左の数字が1レースカットした後のポイント。
ちょうど半分で分けられ、
上位33名がゴールドフリートに(予選突破)、下位33名がシルバーフリートと進みます。
これで予選は終了。
《大会の進みかたーReserve Dayー》
予選2日間を終えて、20日はReserveDayが設定されていた。いわゆる予備日。
自然を相手にするスポーツなので、風が弱すぎたり強すぎたり、風向が定まらなかったりなど、コンディションにより予定していたレースを行えない場合がある。
今回は『予選で3レース出来なかったら20日の予備日を使うよ!』となっていた。
無事に5レース行うことが出来たので、今回は20日は何も無い1日〜。
選手たちは体を休めたり、海外選手は近くで観光に行ったり自由に過ごし休息。
ちなみに2日間で3レースだった場合、予備日は使われず3レースで予選終了となるため、カットが出来ず3レースの合計がそのままポイントとなる。
《大会の進みかたー決勝シリーズー》
予選で振り分けられたゴールド/シルバーフリートにて2日間行われた。
みねこは予選を51ポイント30位で終えたので(9,11,(21),17,14位)ゴールドフリートに進んだ。日本人レディースでは唯一の予選突破。
決勝シリーズはゴールド/シルバーのそれぞれ33人のフリートで行われるが、この時点からシルバーフリートの人達がゴールドフリートの人達の順位を上回ることはない。
決勝シリーズでは、ゴールドフリートでは1〜33位を、シルバーフリートでは34〜66位の順位決定戦を行うイメージ。
今回は決勝シリーズ初日に3レース、2日目1レースの合計4レース行った。これで予選5レース含めて計9レース終えたことになる。
9レース中最も悪いポイントを1レースカットし、ゴールドフリートでの上位10名が最終日のメダルレースに進む。
みねこの場合、予選(9,11,21,17,14位)、決勝シリーズ(2,3,29,(32)位)だったので、合計107ポイント20位だった。
残念ながらトップ10に残ることは出来なかったけど、最終日のラスト1レースで最終順位を決めることになった。
《大会の進みかたー最終日メダルレースー》
23日、大会最終日
昨日までの総合結果で、ゴールドフリートのトップ10の選手が、ラスト1レースで最終順位を争った。
10人でポイントが2倍となる。
1位=2ポイント、10位=20ポイント
最後のポイントを加算し、予選から含めた計10レースの合計ポイント(1レースカット)にて
最終順位を決定。
上位5人が入賞、3人がメダル表彰となった。
ゴールド/シルバーフリートも最終日も1レース行った。
ゴールドフリートは11〜33位を、シルバーフリートは34〜66位の順位決定戦だ。
最終レース33位だったみねこは、このレースをカットし、
10レース→ 9,11,21,17,14,2,3,29,32,(33)
合計139ポイント 26位で本大会を終えた。
ゴールドフリートに進んだ日本人が唯一だったため、そのまま日本人トップとなった。
《ウィンドサーフィンレースの楽しみかた》
という具合に、フリートに分けられて、シャッフルしながらの少し複雑な順位決めになっているし、
トーナメント制では無いので最終日まで全員がレースを行うので、
最終リザルトだけを見ると、分かりづらいかもしれない。
まずは予選で決勝シリーズのゴールドフリートに進めるかどうか。
それから、大きく順位を落とすようなカットレースを作らずなるべくポイントを纏めているか。カットポイントがいくつで、そのポイントを使えるかどうか。
などがレース展開の見方になるかなと。
フリート分けとリザルトは各大会のホームページに随時UPされるので、それを見ながら応援するのが良いのだけど、どこに載ってるのかわかりずらかったりするイメージ。よく国際大会のHPで迷子になる。。英語だし。。
ー大会公式HPー
http://www.rsxclass.org/worlds2017/
《ちなみに、、、》
さて、こんなに頑張って説明したけど、
なんと東京オリンピックのルールはまだ確定されて無いのです。
例えば、今回は予選から含めて全ての順位を加算したけど、
別の方法だと、ゴールド/シルバーに振り分けた時点でポイントをゼロにリセットして決勝シリーズを行うとか、
メダルレースもそれまでのポイントをゼロにリセットして、最後の10人の1レースのみの結果で最終順位を決めるとか。
色々な方法をオリンピックまでに試しながら決めていくようです。
サポート記録に続く。