ウィンドサーフィン RS:X 世界選手権 in江ノ島 2017 サポート記録 〜環境と雰囲気づくり〜
今回、こんなに国際大会を間近で応援したのは初めてだったので色々記録。
《宣伝広告と会場 》
この世界選手権の運営は神奈川県セーリング連盟と、日本ウィンドサーフィン協会、RS:X協会の3者で開催。
メインスポンサーはAOKI
ーマークにもAOKIのロゴー
昨年のオリンピックウィークin江ノ島で初めて国際大会の応援に来て、どちらかというと閑散としたその雰囲気にちょっと驚いた。
それに比べると、今回は選手もスタッフも応援に来る人も一般の通りすがりと思われる人も多く、会場はすごく活気があった。
ただ今回も駅から江ノ島にかけてはノボリやポスターなどは無かったので、江ノ島に観光で来ている人達でさえ、国際大会が行われている事はほとんど分からなかったと思う。
そう思うと5月に横須賀津久井浜にて行われたPWAワールドカップは宣伝広告がすごかった。
京急とANAがメインスポンサーだったので、京急の中吊りはもちろん、津久井浜駅の改札を出るとすぐノボリがあってボランティアの人がインフォメーションとして座っていた。すごく感じが良いボランティアのおじさまと会話した記憶がある。色んな所でポスターも見かけた。
結果的に横須賀津久井浜へ5日間で3万人もの人が足を運んだとのこと。
あそこまでBIGスポンサーをつけて宣伝をしてようやくあの盛り上がりなんだ、と感じた。
ただ、江ノ島だと何もせずとも観光客は来るから、津久井浜ほど宣伝をしなくても導線だけ作ればある程度の人は来るだろうとは思ったり。
《最新の観戦ツール》
今回は、海外で開催される大会ではよく見られる "GPSによるトラッキング" が行われた。
ースマホでヨットー
http://smarttrac.jp/category-list/?rno=30
選手にスマホを持たせて、誰がどこを走っているかをネットでリアルタイムに見ることが出来た。
19日以降は映像中継もあった。
ハーバーにある建物の屋上から超望遠での撮影と、海上の船からドローンを飛ばして上からの撮影。
ハーバーの建物内にパブリックビューイングスペースを設けて、大スクリーンで観戦できた。スマホ片手に映像を見る、という感じ。
トラッキングによって全体のレース展開を見ながら、映像によってリアルな選手の漕ぐ様子やスピード、距離感などを確認できた。
ーこれは大スクリーンの横にあったテレビー
今回は今後のためのテストのようだったので、初日は映像中継の諸々のシステム調整という感じだった。
先頭を走る選手とかマーク付近など、映して欲しいところを映してもらえず、一緒に見ていた人達と『あー‼なんでここで切り替わっちゃうの〜!!』と叫びたくなることが多々あった。笑
でも21日以降は改善されていた。
パブリックビューイングスペースがどこにあるかというサインは特に無かったかな?
応援に来ていた人達に伝えて、初めて『あ、そんなのあるの?!見たい見たい!』という感じになった。
《出艇と帰着環境》
コンクリートのスロープを下って海に道具を浮かべるのだけど、スロープで道具を傷つけたり、スロープを下ったところの海中でウニを踏んでしまったりとなかなか選手にとっては神経を使う環境だった。
普段ウィンドサーフィンはビーチでやることがほとんどで、海外で行われる国際大会も砂浜からの出艇がメイン。
ビーチだと広いし、ガリガリとコンクリートで道具を傷つけることも無いけど、ハーバーのスロープはスペースも決まっているのでプチ渋滞。
みねこも最終日だったか、ウニを踏んでしまった。泣
今後対策されるのかな?
ウニって勝手に取り除いちゃいけないのか?←勉強不足
《ボランティア環境》
今回はJSAF(日本セーリング連盟)とJWA(日本ウィンドサーフィン協会)でボランティア募集の告知をしていたよう。
ーみつけた募集の記事ー
http://jw-a.org/NEWSTOPICS/rsxworld
ボランティアとして参加して下さっていた方々はほぼセーリング関係者だったみたいで、運営の人がボランティアの人手が足りないと言っていた。
そんな中で選手達にレモン水やおにぎりを振る舞ったりしていて、日本らしいおもてなしというか、それは本当にすごいなと思った。
ここに学連OBOGの人達がもっと関われるといいなと感じた。オリンピックの運営となったらもっと多くの人が観戦に来て、もっと多くのボランティアが必要になるに違いないと思うので。
私の夫は会社のボランティアチームの運用を行ったりしていて、震災復興支援がメインで、スポーツイベントのボランティアも関わったりしている。とにかく色々な段取りや手順決め、ボランティアスタッフの管理や指示フォローなどなど、眉間にシワを寄せっぱなしで大変そうだった。
ボランティアって参加する方も運用する方もほんとに大変だと思う。
でも関わりたいと思っているOBOGが、本当は沢山いるんじゃないかなと今回感じた。私も出来ることがあればOBOGに投げ掛けたい。
《多くの人が足を運べる雰囲気づくり》
今回、ロンドン・リオ五輪金メダリストの、ドリアン選手の心優しいメッセージを受け取ったマコさんの呼び掛けがきっかけとなり、
慎さんや寧子さんなど先輩方から『もっと多くの人に応援に来て盛り上げて欲しいね』というような話があった。
私は21日の夜に急遽、学連のOBOGの20名ほどにメッセージを投げた。
『金曜日のレース後、もしくは土曜日にぜひ江ノ島に足を運んで欲しい。現役やOBOGに声を掛けてみてほしい。』
というような内容を結構長々と書いちゃって読みにくかっただろうし、笑
どこまでの人が拡散してくれたのかは分からないけど何件かのレスポンスがあって、後輩のとーるはすぐに『後輩を連れて行きます』と連絡をくれて嬉しかった。
彼は元々来てくれる予定だっただろうけど。
私だけでなく現場にいた色々な人が呼び掛け、結果的に土曜日は結構多くの人達が応援に来てくれてすごく盛り上がった。
現役はもちろん、もうウィンドからは離れてしまっていた人とかも来てくれて、久しぶりの再会も嬉しかった。
その中の一人がこんなことを言ってくれた。
『一昨日の夜連絡頂かなければ多分来なかったと思います。
もうウィンドからも離れてるし、こんな大切な大会に直接来てもどんな雰囲気か分からないし、選手に迷惑にならないかな、とか。応援する人の居場所はあるかなとか思っちゃいます。
なので、声を掛けてもらって良かったです。』
この言葉をもらって、色々考えさせられるきっかけとなった。
会場の雰囲気を堪能して、色んな選手と話をしたり写真を撮ったり楽しんでくれていたのを見て心から嬉しかった。
あー。そっかそうだよね(>_<)
来づらいよね、、
その通りだなと思った。
ウィンドサーフィンをやっていたからこそ、レース前のピリピリした雰囲気とか、会場には道具が雑然とあちこちに置いてある環境とか、そもそも観戦が簡単でないスポーツだということを色々想像できる。
だからこそ、気を使って来れないというのは本当にそうだなと思った。
あとは、ウィンドサーファーやセーリング関係者しかいない閉ざされた空間であることが、少しでもその世界から離れてしまった人を来づらくさせてしまっているのかなとも思った。
それはどんなコミュニティでもそうだと思うから理解できる。
そこを、『OBOGの皆さんいつでも戻ってきて関わって‼一緒にウィンドサーフィン界を盛り上げよう!』というコンセプトでJWAの学さんとかは動いてくれていると私は感じてる。
オリンピックまでにそういう空気を浸透していけるよう、私も出来ることをしたい。
私自身の国体とかを思い返すと、選手が『見に来てね』とは言いにくいかなーとは思う。競技的にせっかく来てもらっても観戦しずらいし、海に出てしまうので会話できるタイミングが必ずしもあるとは限らないし、自分が良い走りを見せられるかどうかも分からないし。
でも観戦しずらさが解消されつつあるなら、運営側がパブリックビューイングがあることなど会場のインフォを出してくれれば、多少来やすくなる効果はあるのかなと感じた。
あとは、私みたいな運営でも選手でも無く会場にいる人が『今こんな状況ですよ〜!』とゆるく発信するのもありなのか、と感じさせてくれた。
応援に来てくれることが迷惑だなんてことは無い。
見てくれる人、応援してくれる人がいてこそのスポーツ。
私の大好きな武井壮さんが、いつもアスリートについて熱く語っていること。
でも、会場に足を運んで応援に来てもらうために試行錯誤色々仕掛けるのは、選手以外が全力でやればいい。選手以外でも出来ることだから。
そして、選手は出来る限りでいいから、来てくれた人と少しでも接点を持てる時間を作るだけでいいと思う。
みねこもレース後、応援に来てくれていた人達と話をしながら、セイルを立てて写真を撮ったりしていた。
ーこれはみねこが撮影する後輩たちー
それでいいと思う。応援に来てくれた人達は、たった3分みねこと話をして日の丸の国旗の貼られたみねこのセイルの前で写真を撮れただけで『あー江ノ島まで応援に来て良かった!』と思ってくれると思う。
そして、その時間は必ず選手にもプラスになる。
みねこも『今日◯◯とか◯◯ちゃんとか来てくれてたね!』と喜んでた。
当然だけど、応援しに来てくれる人達のフォローも含めてスポーツの環境設計って大事だなと改めて思ったところでした。
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選手にしか出来ないことは選手が
選手以外でも出来ることは選手以外が頑張ればいい。
私のやるべきことはそういうことだと改めて認識できた大会だった。